御両親様
  • 陸軍中尉 角田文雄命
    昭和二十年九月九日
    比島ルソン島バギオにて戦傷死
    長野県伊那市大字伊那出身
    二十五歳

(前略)
今まで御育て下さった御両親様其の他一切の御恩に感謝致して居ります、もう思い残すことはありません、只御両親の御恩に少しも報ゆる事の出来なかった事を申訳なく存じています、誠に親不孝者でした、我儘な文雄をよくお育て下さいました、全く涙が出ます御容赦下さい。
上船すればもう生死のことは解りません小生も最後まで頑張るつもりです。
これが最後の便りとなるかも知れません御両親様も御丈夫にて御働き下さい。
任地到着すれば又便りも出来ましょうそして又母上様の作りし野菜を頂ける日もあらんと存じて居ります。
兄上、姉上様峯子にくれぐれもよろしく春雄にもよろしくお伝へ下さい。

 昭和十九年九月二十五日

          博多にて   文 雄

(原文のまま)

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