戦地の兄へ
  • 陸軍軍属(看護婦) 
    湯川カツ命
    昭和二十年十一月三十日
    内地帰還後、本籍地にて戦病死
    新潟県中魚沼郡川治村出身 二十四歳

叢(くさむら)より聞ゆる虫の音(ね)に、初秋の訪れを一入(ひとしお)深く感じて参りました。
兄さん、先日はお便り有難う御座いました。
私も宮ちゃんも相変らず元気にて服務致して居ります故、他事乍ら御休心下さいませ。
此方(こちら)は内地の彼岸頃の気候で、とても凌(しの)ぎ良くなりました。
参った当時より、多忙な日々を過して居りますが、仕事にも大分馴れて参り、楽しい日を送り迎へして居ります。
兄さん今度お便り下さる時は、表記の通りにして下さいね。
四九六部隊で充分参りますから、お願ひ致します。
もう時間が迫って参りました。又後にて。
健康に注意して頑張って下さいませ。

かしこ

(原文のまま)

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