遺書
  • 陸軍兵長 安田 博命
    昭和二十年七月一日
    比島群島レイテ島
    カンギポット山にて戦死
    茨城県結城郡石下町出身
    二十四歳

御両親様。
貮拾有余年の長年月、御世話にのみ相成りました。
博は今、大東亜建設の礎石(そせき)として、命を君国に捧げます。
何等孝養とて尽さぬ事多く、先立つ不孝の罪を御許し下さい。
但し、軍籍に身を投じたからには、自分としては今日の事は、既に覚悟の上であります。
御両親様、博の戦死を聞いても、決して御嘆き下さいますな。
世間にはまだく不幸な境遇の人達が、どの位あるか判りません。
そして、まさ子や悦子の事は、呉々も宜敷く御願ひ致します。
博は決して卑怯な死に方はせぬ積りですから、それのみは固く信じて下さい。
では、桜咲く編△任梁侈未魘擦暴祥(しょうよう)として、祖国に一命を捧げます。
親戚、近所へ宜敷く願ひます。

                                  博
 御両親様

(原文のまま)

閉じる