決戦場へ征きます
  • 陸軍軍曹 藤好京介命
    昭和十九年九月三十日
    東部ニューギニアにて戦死
    福岡県三池郡高田村出身 二十七歳

御父上様。
御母上様。

京介は、愈々日本男子として、決戦場○○へ征きます。
電撃的出撃に、光栄と希望と武者ぶるひにて、この筆をとって居ます。
今、静かに生立ちを振り返る時、生を享けて二十六年の今日迄、御両親様には取り分け御心配の掛け続けにて、御高恩の万分の一も御孝養出来なかった豚児(とんじ)を御許し下さい。
何卒、呉々も御自愛になり、健やかな日を御過し遊ばす様、心より御祈り致します。
それから、自分の今後に於ける一切の事柄に関する処置は、総て御両親様に御任せ致します故、宜しく御取計り下さいませ。
又、松田様始め、私が今迄に御世話になりました方々には、御両親様より宜しく御伝へ下さいませ。
中林町の伯父上様にも御高齢の事とて、折角の御自愛と私の感謝とを御伝へ下さいませ。
最後に重ねて御両親様始め、兄上様方妹達の御健康とを祈って筆を擱(お)きます。

   昭和十八年○月○日

藤好京介
藤好虎秀様
藤好タキ様

最後の外出は、とても愉快でした。ブドー酒の乾杯で幸先よいです。

(原文のまま)

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