遺書
  • 陸軍大尉 小林善彦 命 
    昭和十六年十一月二十九日
    タイランド湾にて戦死
    広島県御調郡向島西村出身 
    二十三歳

不肖善彦、今世に生を享け大君の恵みを忝(かたじけの)うし、父母の慈愛に育て
られ今日斯くあるに至る。
深く其の御恩に感謝すると共に粉骨砕身以って報恩せんとす。

中略

此の度の死、もとより覚悟の事にて善彦は笑って護國の神とならん。
戦ひて敵兵を憎まず。蓋(けだ)し敵も國を愛するが故に、故郷に父母妻子を
残し来る者なればなり。彼等は誤れる為政者の股肱(ここう)となり死す。善彦
は八紘(はっこう)一宇(いちう)の大理想実現の為、皇國の礎石となるなり。
嗚呼(ああ)男子の本懐これに過ぐるなし。

中略

死後、特別に法事等の事を行はず、編⊃声劼忙嫁劼群爾気譴弌∩栄
は春ともなれば桜花となりて境内に咲き、喜びて皆様をお迎へ申し
上げるなり。善彦は編△凌澄垢閥Δ帽辻△魃糞廚妨遒襪蕕鵝
御父上様御母上様、度重なる生前の不孝まことに御詫びの言葉もなし
深く深く心より御詫び申し上ぐ。

昭和十六年十月一日
                                    小 林 善 彦

(原文のまま)

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