愈々(いよいよ)第一線へと出発致します
  • 陸軍兵長 古川清博 命 
    昭和二十年五月二十日
    ギルバート諸島タラワにて戦死
    鳥取県東伯郡松崎村出身 
    二十四歳

父上、母上、清博今、愈々第一線へと出発致します。

清博は、今こそなんの心残りなく戦友に負けず勇躍征途につきます。
死して再び帰らず。清博は、南で喜んで建設の小さな礎石と化すの
覚悟であります。博惠のこと、鈴子のこと万事父上にお任せします。
宜しく御願ひします。

清博のことは決して御案じなき様、何事も他に負ける様なことは致
しません。初陣には手柄ニュースでも皆に御知らせ致します。
留守中父上に御任せ致し、元気一杯勇んで征きます。呉々も御安心
下さい。

かりにも私事に悩み大切な御奉公怠る様な清博ではありませんから
呉々も御安心下さい。
先立つ不孝は御許し下さい。又、我亡き後は別紙遺書の如く御取り計
らひ下さい。

清博には、鈴子こそ広い社会にたった一人の真実の女性であったこ
とを御信じ下さい。乱文にて取り急ぎ。

昭和十八年十一月十九日夜

                                         清博拝

御両親様

(原文のまま)

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