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令和2年05月01日

新型コロナウイルス感染症流行に際して

全国の御遺族、崇敬者の皆様には、常日頃より当神社に厚い御崇敬をお寄せ戴き、多大なる御支援、御協力を戴いておりますこと、誠に有り難く厚く御礼申し上げます。

今般の新型コロナウイルス感染症発生以来、世界的規模で感染拡大が続く中、皆様におかれましては、感染予防に細心の注意を払われ、辛抱強く日々をお過ごしのことと拝察致します。

当神社では、三月より毎朝新型コロナウイルス感染症流行鎮静を祈願しており、全国各地の神社においても同様に、事態が一日も早く鎮静化するよう真摯な祈りが捧げられております。

政府より新型コロナウイルス感染症対策の基本方針等が示され、当神社では参拝者の健康と安全の確保、感染拡大防止のための衛生管理 対策を講じつつ、参拝環境の保全に万全を期すべく努めております。

しかしながら、感染拡大の懸念から各業界における行事の中止や延期、規模の縮小等の動きの中で、恒例の桜花の季節の各県遺族会をはじめとする団体参拝の中止、延期の申し入れが相次ぎ、境内の数々の季節の催事もまた、そのほとんどが已む無く中止、延期となりました。

三月時点の都内では依然として感染者の増加傾向にあり、警戒を緩めることができないという厳しい状況にありました。

そのため、四月二十一日からの春季例大祭につきましては現下の状況に鑑み、皆様の安全と健康を熟慮した結果、誠に忸怩たる思いでしたが参列を御遠慮戴き、祭祀の斎行のみ執り行うという苦渋の決断を致した次第でございます。

御歴代天皇の数々の御製を拝承致しますと、国家の安寧、国民の幸せをお祈りになる深い大御心が御製に顕れ、日々刻々と変化する世の中において、時代が移ろうとも変わらない修養の上にも尊い教訓をお示し賜られております。


明治天皇御製

あらし吹く世にも動くな人ごころいはほに根ざす松のごとくに

顧みれば、これまで自然災害や数々の難局に遭遇した時、多くの人々が互いを思いやる心、忍耐、秩序を重んじる精神という、長い歴史と伝統に育まれた国民性ともいうべき精神を発揮し、地域や社会全体で力を合わせて克服すべく努力を積み重ねてきました。

この度の感染拡大により、経済への影響をはじめ、感染対策の長期化が不安視される厳しい状況の中にありますが、感染終息の日を迎えるまで、不動の心、扶け合いの心をもって、健康に留意され日々をお過ごし戴きたく存じます。

本年は終戦より七十五年の年となります。

御祭神は国を安んじ国民を守ると決意され、祖国、故郷、家族の平安を願いつつ国難に臨まれました。

多くの国民が、国家国民の上に限りない御加護をそそがれる御祭神の御神徳を仰ぎ、後世に託された想いに応え、祖国を思う心、家族への敬愛の心を育みつつ、心豊かに一日一日を大切にお過ごしに なることこそが、御祭神の御神威を昂め、わが国の更なる平安と発展への確かな一歩となると信じます。

職員一同、祭祀の厳修はもとより、国家国民を守るために尊い命を捧げられた御祭神への奉慰と感謝の誠を次世代に繋げていくべく、一層精進して参る所存でございます。

今後、新型コロナウイルス感染症の流行が鎮静化した暁には、是非とも皆様、お誘い合わせの上、御参拝くださいますよう心からお待ち申し上げております。


靖國神社宮司 山口建史



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